子育てママのslow life

1児の母、会社員、妻、女。仕事・育児・家事・趣味など日々考えていることを綴っていきます。

『嫌われる勇気』岸見 一郎氏 著 まとめ

 この本の要は、『課題の分離』

この本は、どうすれば自分を肯定することができるのか、自分を好きになることができるのか、もっと幸福に生きることができるのかという問題をアドラー心理学の知見からひもといています。

 自分を肯定し、幸福に生きるための手段として、アドラー心理学では『課題の分離』という考えを説いています。課題の分離とは、自分の課題(自分がコントロールできること)と他人の課題(自分ではコントロールできないこと)を見極め、他人の課題には干渉しないことでよい人間関係が築けるという考えです。

例えば、仲間から嫌われるのではないかと思って言いたいことが言えない。このような場面はよくありそうですね。この時、私の発言によって相手が私を嫌うかどうかは相手の課題であり、自分の意見を述べることが私の課題になります。人間関係において誰かに嫌われたくないと思うことは自然なことですが、誰からも嫌われないようにすべての対人関係をコントロールすることはできません。ですので、『私』を嫌いになるかどうかという相手の課題には干渉することはできません。全ての人に好かれることはあり得ませんが、私が相手を好きになり、良い人間関係を築こうとすることは私の課題でありコントロールできるものです。そのように考えると、すべての人間関係を築くカードは私が持っていると考えることができます。

また、子どもが宿題をやらないことに腹を立てる親も課題の分離ができていません。宿題は子どもの課題であり、親の課題ではありません。親が子どもに宿題や勉強を強要するのは、世間体だったり、自分のエゴが含まれています。そんなエゴを押し付けられたら子どもは良い気分がしません。親ができることは、子どもが勉強という課題と向き合い、その課題をやり遂げる際に助けを求められたときに手を差し伸べることです。

このよう『課題の分離』ができると、随分心持ちが楽になりますね。相手の目を気にせず自分らしく生きていくことの助けになりそうな考えです。自分の課題を相手の課題を分けることができるように日々の中でも意識していきたいです。

 

 

原因論と目的論

原因論

現在の自分は過去の出来事に結果づけられているという考え方です。過去につらい出来事があったから今現在の自分が苦しいのだというトラウマの発想です。この考え方は、今の自分は過去により決定されているという決定論的な考え方で、未来を変える力を与えてくれません。

 

②目的論

 目的論とは、自分の行動や考え方は『今の目的』を達成するために動機づけられているという考え方です。例えば、過去に両親が離婚したから良い人間関係が築けないというトラウマの理論が原因論、人間関係の中で傷つきたくないという現在の目的をかなえるために両親の離婚という経験を利用しているという考えが目的論となります。アドラー心理学では人間の行動や心理はこの目的論によって動いていると考えます。

 

すべての悩みは対人関係の悩みである

アドラー心理学では、すべての悩みは対人関係から生まれるとしています。この理論は乱暴だなと思いましたが、少し考えると納得ができます。自分よりAさんの方が頭がいい、Bさんは美人だ、Cさんはたくさんの友達に囲まれている、Dさんは有名な企業で働いている、、、というように孤独も劣等感も他社との比較から生まれます。

比べる他者がいなければ、自分の学力も容姿も収入も気にならないでしょう。他者より劣っている自分を認められず、他者より優れた自分になりたいと思う優越性の追求が自分を苦しめてしまいます。

 

 

子育てを通して実践していきたいこと

①怒りの感情を使い、権力争いをしない

今はまだ赤ちゃんの娘ですが、これから自我が芽生え自己主張をするようになると、イライラしてしまうこともあるかと思います。娘がお菓子売り場で駄々をこねることも、癇癪で物を投げることもあるでしょう。そのような行動は親に自分の行動を注目させ、自分の欲求を満たしてもらおうとする娘の意志の表れであります。それに対して私が怒りの感情を使って娘を押さえつけ、思い通りにしようとしてしまえば、子どもと親の両者ともがお互いの欲求を満たすために怒りの感情を使うことになってしまします。

小さな子どもでしたら怒りの感情で相手を思い通りにさせることもあるでしょう。それ以外の説得や共感などのコミュニケーション手段を知らないのかもしれません。しかし、親が子どもと怒りによる権力争いをしてしまったら、それ以外の有益なコミュニケーション手段を子どもが経験することができません。大声で怒鳴って子どもを思い通りに行動させるのではなく、子どもが納得や理解ができるようなコミュニケーションを心掛けたいです。

 

②他人に認められるために生きているのではない

 子どもは、親に褒められるために生きているのではありません。親に褒められるためにお手伝いをする、勉強をする、いい学校に入る、いい会社に就職するなど、普通の親が期待するようなことをして、親に承認してもらうことを自分の行動の動機づけとしてほしくありません。他人に認めともらうために生きるのではなく、自分が興味をもってやりたいこと、楽しいと思うことをする中で生きがいを見つけていってほしいです。

そのためにも、私は親として子どもが好きなことを見つけられるようにたくさんの経験をさせてあげることと、もし打ち込みたい何かを見つけたら全力でサポートしたいと思いました。

 

③他者への関心

 子どもの遊びは時に「何がそんなに楽しの??」と分からないこともあるかとおもいます。でも、相手の興味のあることに自分の関心も向けていきたいと思います。子どもの遊びに本気で付き合っていくことで、子どものことが少しでも理解できたらいいなと思います。

 

④横の対人関係を築く

子どもと親の関係は、上下関係になりがちです。子どもが何かできるようになった時、子どもがお手伝いをしてくれた時、どのような声掛けをしていくか、今からよく考えたいです。

「えらいね。」「よく出来ました。」「頑張ればできるじゃない。」どれも上の立場の人が下の立場の人にかける言葉です。このような言葉を使っていると親子関係は縦になってしまいます。対等な相手として、「ありがとう。」「助かったよ。」というような言葉を選ぶことを今から気をつけていきたいです。