子育てママのslow life

1児の母、会社員、妻、女。仕事・育児・家事・趣味など日々考えていることを綴っていきます。

30代女子、結婚や転職の分岐点

30歳前後、生活ががらりと変わる女性たち

最近、身近な友人たちが次々と結婚・出産・転職などの分岐点に立っています。それぞれの生活スタイルが大きく変化する中、仕事や家庭、友達との付き合いに迷っているようです。

 

Aさん

30歳の時、結婚を機に地元を離れて引っ越しました。その際に新卒から働いていた会社を辞めました。結婚後、1年ほどが過ぎてそろそろ再就職をしようと就活をはじめて面接を受けました。しかし、面接官は彼女の年齢と結婚1年目という点で採用してもすぐに子どもができて辞める(もしくは産休に入る)のではないかということが気がかりなようです。採用する場合は最低2年は子どもを作らないでほしいと言われたそうです。しかし、年齢的にも早く子どもを持ちたいと考えた彼女はその会社を諦め、今はパートとして働きながら正職員で採用してくれる会社を探しています。

 

Bさん

昨年1人目の子どもを出産し、育休を取得。今年の10月から仕事に復帰しました。育休を取得する前までは人事担当としてたくさんの就職・転職フェアに参加したり、インターンの学生の受入などを担っていました。しかし、育休復帰後は新人でもできるような書類整理やアンケート集計などの簡単で単純な仕事しかさせてもらえません。保育園の送り迎えがあるから残業なく終わらせてくれるのはありがたいようですが、仕事にやりがいを感じられずに悩んでいます。

 

男女平等は学生時代まで?

日本でも、学生時代までは男女平等です。識字率も就学率も男女で差なんかありません。しかし、社会に出たとたん、女性は結婚したら男性の赴任地へついていったり、出産をしたら育休の取得や寿退社をする可能性が高いということは一般的に思われています。特に20代後半以上の女性が転職を考える際、この一般的な認知がとても邪魔をします。

私は28歳の時に転職をしました。その際、今後の結婚予定や出産の希望の有無などを聞かれました。採用担当者の立場とすれば、長く働いてくれそうな男性の方が採用したいと思う気持ちはわかります。しかし、女性ということで能力をみてもらえないことはとても残念に思いました。

日本の男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」は世界で114位です。女性へのレイプ事件やアシッドアタックで有名なインドよりも下位なんです。

日本社会は、学生まではとても男女平等な社会です。ではなぜこれほどジェンダーギャップ指数が低いのかというと、政治と経済における女性の立場によります。国会議員の中の女性の人数の少なさや、会社での役員数、所得の男女格差がこれほど日本のジェンダーギャップ指数を押し下げています。

 

マミートラックというトラップ

子育て中のお母さんのために用意された誰でもできる簡単な仕事を「マミートラック」と言います。子どものお迎えで残業ができない、突然保育園から呼び出されるなど、仕事に支障をきたすかもしれない環境の中で働く女性に、責任のある仕事を任せなかったり、昇進や昇給の機会を不利にする働き方です。

子育てと仕事を両立させるために望んでマミートラックを引き受ける女性もちろんいらっしゃいます。しかし、子どもを産むまでバリバリ働いてきた女性にとっては、新卒の新人でもできるような仕事しか任されない状況をどう思うでしょう。もっと責任のある面白い仕事をしたいと思っているでしょう。やりがいの感じない仕事に日中の時間を奪われるくらいなら、仕事をやめてしまおうと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本でこのようなマミートラックという仕事内容が生まれた背景に、日本の会社は長時間労働=会社への忠誠心という信仰があるからではないでしょうか。生産性の低い方法で朝早くから夜遅くまで仕事をすることで、会社から認められる社員になることで昇進・昇給の機会を与えられる日本の会社では、子育てのために仕事にフルコミットできない女性は二級社員としてみなされてしまいます。仕事ができる時間が短くても限られた時間内に生産性を上げて同じ成果を出すのならば、その方が評価されるべきなのにと思います。

 

マミートラックも利用して正社員の地位を守り抜こう

30歳前後で転職を考えたり、結婚・出産によりキャリアの転換をせざるを得ない状況をどう切り抜けようと考えたとき、私の出した考えは「マミートラックも利用しながら正社員の地位を守りつづける」という方法でした。

結婚して旦那さんの赴任地へ行かなくてはいけない場合でも、赴任先での正社員としての転職先を事前に用意しておくといいです。というのも、それくらいの年齢でかつ結婚をする予定(結婚したばかり)となると、採用担当者はそれだけで不採用にすることもあるからです。さらに、結婚して1年ほどたって落ち着いてから再就職をと思うと、その1年のブランクがさらにマイナス評価につながってしまいます。(結婚しても、ブランクがあっても男性よりずっと優秀な女性だってたくさんいるのに…)

また、すでにマミートラックにハマってしまっている(育休明けにハマりそうな気がする)場合は、その状況を逆に利用しようと思います。簡単な仕事をしつつ、定時には帰らせてもらい、給与もしっかりもらいます。気楽な作業でベーシックインカムをいただいています、と思えばいいのです。

この場合も正社員の肩書は守りたいです。「子育てが大変だから時短勤務やパートになったら?」と会社から提案されても断ります。パートからまた正社員になれる保証はありません。正社員であることは、社会保障の面においてとても優遇されています。また、社会からの信頼も厚いでしょう。正社員をキープしさえすれば、今後のキャリアアップのチャンスも増えると思います。

 

日本の会社は、一度レールから外れた人に対して厳しく評価する傾向があります。最近の新しい会社ではそのような考えも薄くなってきていますが、30代女性の私の感覚では「アラサー女子、子持ち女性」という点で評価が下げられるなと感じることが多々あります。なので、マミートラックだろうがどんな仕事だろうが「正社員」という肩書を守りながら次のチャンスを狙っていこうと思います。

子育てが忙しいのもほんの一時です。子どもが大きくなって手がかからなくなれば、あの頃は忙しかったけど幸せだったなと懐かしく思うこともあると思います。また、今後の定年は65歳から70歳、75歳とどんどん伸びていくでしょう。人生100年の時代ですから、生涯現役だって当たり前になっていくと思います。そうなると、子育て中のほんの10数年のキャリアが途切れてもなんでもないなと思えるような気がします。これからまだまだ長い人生の中ですので、今は肩の荷を軽くして気楽に生活していこうと思います。